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【ワークフロー】
拙著「Excel(VBA)による中小企業のためのデータベースの構築と簡易ワークフロー」により作成した。
6.6 ワークフローのシステム構築
システムの構築はExcel VBAを使い行います。各ファイル(様式 Wordで作成されたもの)を全てExcelに変換し、VBAで前記の内容を満足させるようにプログラミングします。これは、Excelでのプログラミングが簡単になるためです。Wordを用いたVBAでもプログラミングは可能ですが、ExcelとWordの2つのアプリケーションを利用することになるためプログラミングが複雑になるだけでなく処理スピードが遅くなります。
6.6.1 プログラムのモジュール構成
1)様式毎の基本データ作成
ここでは、様式毎に使用する人の責任と権限を定めたデータを作成し、保存する。データを作成した場合の事例として表6-1に示す。保存されたデータの読み込みを行う。
2)個人の基本データ作成
ここでは、使用する人の氏名、社員ID、暗証番号(パスワード)など、認証に必要なデータを作成し保存する(図6-3参照)。データを作成した場合の事例として表6-2に示す。保存されたデータの読み込みを行う。
3)様式毎のセキュリティレベルの設定
各様式のセキュリティレベルの設定例として表6-1に示す。
表6-1 様式毎の責任・権限一覧表
氏名 |
Y1 |
Y2 |
Y3 |
Y4 |
Y5 |
Y6 |
Y7 |
Y8 |
SecL |
U |
U |
U |
U |
U |
U |
U |
U |
益永 |
3 |
3 |
4 |
5 |
5 |
4 |
3 |
3 |
田中 |
2 |
2 |
6 |
1 |
1 |
6 |
2 |
2 |
佐藤 |
1 |
1 |
6 |
6 |
6 |
6 |
1 |
1 |
坂本 |
1 |
1 |
6 |
6 |
6 |
6 |
1 |
1 |
渡辺 |
7 |
7 |
7 |
7 |
7 |
7 |
7 |
7 |
石田 |
8 |
8 |
8 |
8 |
8 |
8 |
8 |
8 |
4)パスワードの設定・登録
パスワードの設定・登録はユーザーが各自に行えるようにします。パスワードの設定・登録の入力画面を図6-3に示します。ただし、図6-3は、VBAではドライブリストボックス、ファイルリストボックスのコントロールがないためにVB(Visual Basic)を用いて作成してあります。
表6-2 ID番号・パスワード一覧表
氏名 |
ID番号 |
パスワード |
益永 |
T001 |
A123 |
田中 |
T002 |
1002 |
佐藤 |
T003 |
X201 |
坂本 |
T004 |
326Z |
渡辺 |
T005 |
5167 |
石田 |
T006 |
4379 |
図6-3 個人データの入力画面(参考)
6.6.2 様式ファイルのモジュール構成
プログラムの構成内容は下記のとおりです。
@ データ作成
・ パスワードを入力しなければ、権限外のものがデータベースを作成できないようにしてある。ただし、エクセルファイルは作成できる。
・ データ作成は新規作成と変更作成、承認、審査があるのでこれに対応したプログラムにしてある。
・ 作成、審査、承認、回覧、受理等の権限が行使された場合には、「****」がそれぞれの欄に出力される(表6-3参照)。
・ 最新版の記録は自動的に検索し読み込むようにプログラミングしている。また、旧版のファイルも保存される。
A データの保存
・ パスワードの入力により、権限外のものがファイルの保存をできないようにしてある。ただし、エクセルファイルとしてのデータ保存は可能です。
・ 作成したファイルは最新版として保存される。ファイルの保存はExcelが持っているファイル保存の機能を使用しないこと。Excelファイルは権限が行使されたファイルとはならない。
B データの削除
パスワードの入力により、特定された者のみが削除できるようにする。
C データの読み込み
パスワードの入力により、特定された者のみが読み込みできるようにする。
D データの検索
パスワードの入力により、特定された者のみが検索できるようにする。
E メール送信
パスワードの入力により、特定された者のみがこの機能を使って送信できるようにする。
表6-3 権限および権限行使状況
権 限 |
承 認 |
審 査 |
回 覧 |
作成者 |
受 理 |
|
役 職 |
社 長 |
部 長 |
技術部員 |
技術部員 |
営業 |
総務 |
氏 名 |
益永 |
田中 |
佐藤 |
坂本 |
渡辺 |
石田 |
権限行使状況 |
**** |
**** |
**** |
**** |
**** |
**** |
日 付 |
10/5 |
10/4 |
10/6 |
10/6 |
10/3 |
10/7 |
注)この表の権限と表6-1の権限とは一致させていません
図6-4 メニュー画面(実行画面)
6.6.3 まとめ
本システムの利用勝手は、利用者の判断にもよるでしょうが、比較的利用しやすいものと判断しています。欠点としては、各様式(Excel)にVBAを記述するシステムであるために様式の変更等があった場合には、データ保存位置が変化する場合がある。データ保存位置が変化する場合にはそれに応じたプログラムの変更が必要なことがあげられます。また、ワークフローはメールの送受信(ファイルの添付は不要としている)でおこなうため、利用者には多少の不便さを感じるものと思われます。以上述べたような欠点がありますが、実用上は十分な機能を有しているシステムと考えているので利用を期待しています。